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2024年8月25日(日) 14:00
南下浦コミュニティセンター 2階多目的ホール
参加:97名
自主上映会にご参加の皆さま、暑さの中お運びくださいましてありがとうございました。おかげさまで、97名の方々に映画を見ていただくことができました。ここまでの人数のご来場を想定していなかったので、何やかやとバタバタしてしまい、せっかく会場までお運びいただいた会員の皆さまに十分なご挨拶ができなかったことが心残りです。申し訳ありませんでした。お詫び申し上げると共に、ご協力に深く感謝申し上げます。
ここ数年、私たちこあじろの森くらぶは地元の方や専門家の先生のお話を聞いたり、みんなで遺跡を訪れたりして考古学に親しんできました。そうするうちにいつか考古学が、小網代の昔が、身近に感じられるようになりました。三浦市の中にも旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、古代・中世、近現代にいたるまで本当にたくさんの遺跡があることを知り、実際に遺跡を訪れてきました。
考古学は発掘されたモノから得られる情報がすべて。博物館に展示されている土器や土偶や鏃(やじり)や石斧や勾玉もみんな土の中から掘りだされたモノ。そういえば以前、小網代の森へ通う道すがら発掘現場を見かけたことがありますが、いったいどうやって掘っていたのだろう?もっとよく見ておけばよかった。掘っていて何か出てきた時は嬉しいだろうな、そもそも誰が掘っていたの?などと思いを巡らせていたところ、そんな私たちにピッタリな映画があったのです。劇場での上映は終わっていましたが、自主上映という手段があることを知り、6月末に新設オープンする南下浦コミュニティセンターでの上映会を企画しました。とは言うものの、担当スタッフは全員まったくの素人。上映費用の参加者1名1000円という金額を、ご来場の方からいただいても、満足して帰っていただけるレベルのものが提供できるかどうか、まったく自信を持つことができません。まず上映会参加費は無料とすることを決め、30名以上の集客を目標にします。幸いなことに関係各所のご協力がいただけ、集客は順調に進みました。あとは当日を待つばかりです。
いよいよ自主上映会当日を迎えました。エイヤ〜!と蓋を開けてみたところが、想定を大幅に上回る大盛況!あれよ、あれよと嬉しい悲鳴。椅子が足りなくなり追加に継ぐ追加、なんとか全員に着席していただいたところで上映中の注意事項や上映支援金のお願い等をお話しし、上映会は無事スタート。
終了後は若干の休憩を挟んで、会場にいらっしゃったお二人の考古学の先生にお話を伺いました。映画を見終わってのご感想はもちろん、いつもとは少し異なる視点からのお話を伺うことができ、お得な気分の上映会でした。先生方のお話も掲載いたしましたので、是非ご精読ください。

2024年10月6日(日)
参加者 8名
3月に須田先生の案内でめぐった南下浦遺跡探訪の続きです。前回は雨崎で急な雷雨に見舞われ、最後まで案内していただくことができずに終わってしまいましたが、その先も是非めぐりたいと、再度企画しました。昨夜の雨に変わって過ごしよい晴天に恵まれ、三浦海岸発のバスを松輪で下車。
@ 田鳥原(たっちゃば)遺跡
バスを降りたこの辺りを地元の人たちは「たっちゃば」と呼び、縄文土器のかけらや黒曜石などが古くから見つかっている、いわゆる散布遺跡だという。また畑の中にある全長80mほどの不定形の塚は50年前の写真と寸分変わるところがない。むかしの飢饉で亡くなった人の遺骸や牛馬の死体を投げ込んだところだという話をきいた。祟りを恐れて塚を壊して畑を広げようとする人はいないと、地元の方から伺った。
バス道を戻る方向に少し下り、右がわの丘に登ると高山の水道塔から金田湾、遠く房総まで見渡せる気持ちのいい畑のあいだの小道に出ます。今日はヒガンバナの赤がよく目立ちます。お彼岸はとっくに終わっているのに、例年よりずっと遅い開花です。丘の北東端、雨崎をめざして下った先が勝谷です。
A 勝谷(かっちゃ)遺跡
勝谷は金田湾に沿って北西方向に伸びた砂丘だ。内側(南側)の低地には畑がせまっている。その間に、もとは石棺だったと思われる石組みが4組発見され、砂丘内にはまだ埋まっている可能性があるという。弥生中期の土器片も見つかっている。近くの畑で大根のおろ抜きをしていた農家の方は、「そのへんから時々黒くなった人骨が出てくるよ」と話された。
農家の方に「みんな持っていきな!」と、おろ抜き菜っ葉をたくさんいただきました。 砂丘の東に標高25mほどの丘があり、その南麓が次の遺跡。
B 雨崎横穴墓群
金田字勝谷(かっちゃ)に所在。別名かっちゃ浜横穴墓群、松輪バス停から雨崎洞窟遺跡へ向かう途中畑に面した南側斜面の小さな丘が続いている所に16穴開口している。隅丸方形低ドーム形やアーチ形の玄室構造などがみられることから、7世紀代から築造された横穴墓群と考えられる。畑に面した小さな丘の所に2穴遠くからだが見ることができた。
C 雨崎洞穴遺跡
現在は樹木に覆われているが、時折陽が差し込むと白っぽい岩盤が見えて近づけば洞穴があることがわかる。洞穴といっても、深い穴ではなく、岩陰に近い(入口幅7m、奥行き4m、高さ2.5m)。1967-68年の発掘調査で洞窟の下層は弥生時代中期から古墳時代前期の生活址、上層は古墳時代前期から終末期にかけての墳墓が存在することが明らかになった。弥生時代の遺物(土器、貝輪、骨角器、卜骨等)、古墳時代の埋葬骨や焼人骨、副葬品が出土している。特筆すべきことは、古墳時代前期の小児の人骨を埋葬した木棺が見つかっており、現在は赤星直忠博士文化財資料館に収蔵保管されている。勾玉・臼玉・管玉など副葬品も確認されているため、雨崎の王子様(お姫様?)だったのかもしれない。古墳時代後期の火葬を行った施設も発掘されている。
雨崎洞穴の前は排水路整備の工事中だったので、東部浄化センターの構内を通らせてもらって東に進み、折り返して雨崎神社へ。最後の登りは昨日の雨で滑りやすく、草木につかまりながら苦労して進みました。
D 雨崎古墳群
全長約30mの、東側を前にした前方後円墳と、その前に接する直径約10mの円墳。自然地形を利用して、丘のてっぺんから金田湾を見渡すような位置に作られている。古墳時代はここから蛭田の丘の上にあった古墳や、長沢の古墳もよく見えたことだろう。大和朝廷が造り始めた前方後円墳の形が隷属の証として伝えられ、この地方の有力者が埋葬されているようだ。ヤマトタケルの東征とも関係があるかもしれない。
三浦市に前方後円墳があったなんてほとんど知られていない。きちんと測量して確認されたのも最近のこと。後円部のお墓を守るように神社が祀られてきたことで、大きな改変を免れたのだろう。
ここには房総と行き来する大蛇の伝説もある。
このあたりは雨崎古墳群を中心に勝谷遺跡、雨崎洞穴遺跡、雨崎横穴墓群と、弥生から古墳時代へと、同じ時を重ねた一大墓域だったようです。
さあ、浄化センターまで戻り、海沿いに金田漁港に向かいます。バス通りにでたところでブラフ積の石垣が見えました。
E ブラフ積石垣
横浜の外国人居留地のレンガ積みから学んだ日本の石工が、石垣に応用して作り始めた長辺、長辺、小口等という石組みで、横浜や横須賀基地を中心に明治から昭和初期にはやった。三浦でも大きな農家などの石垣にみられる。
金田漁港で昼食とトイレタイム。8人全員が一つの木の大きなテーブルとベンチを囲んでのんびりお弁当をいただきました。





昨年は全ての会員さまにプレゼントいたしましたが、今年からは例年の通り、ご寄付のお礼として送らせていただきます。 わずかですが残部がございますので、ご希望の方には実費程度でお分けします。
価格:600円/部+送料実費 お申込み: info@mori-club.com 046-889-0067(仲澤)

| 2024.10.06(日) | 遠足 南下浦遺跡めぐり | |
| 2024.10.12(土) | 第44回交流会 2025カレンダー画像選考会 (14:00〜リモート) | |
| 2024.10.19(土) | スタッフ会議(リモート) | |
| 2024.10.20(日) | スタッフ研修「変形菌を探し2024@光の丘水辺公園」 | |
| 2024.10.24(木) | 小網代の歴史を訪ねてみようW編集会議(リモート) | |
| 2024.10.31(木) | 小網代の歴史を訪ねてみようW編集会議(リモート) | |
| 2024.11.02(土) | スタッフ会議(リモート) | |
| 2024.11.08(金) | 小網代の歴史を訪ねてみようW編集会議(リモート) | |
| 2024.11.16(土) | 小網代の歴史を訪ねてみようW編集会議(リモート) | |
| 2024.11.17(日) | 遠足 池子遺跡群資料館〜まんだら堂やぐら群 小網代の歴史を訪ねてみようW小冊子入稿 |
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| 2024.11.18(月) | こあじろの森くらぶ通信第44号編集会議(リモート) |
昨年9月9日に始まった須田英一先生のこあじろ考古学講座。その後、須田先生のご案内で三浦市内の遺跡探訪を2回、また、こあじろの森くらぶメンバーのみでの遺跡めぐりを2回と計4回の遺跡歩きで考古学に親しんでまいりました。その全記録に配付資料を添えて、「小網代の歴史を訪ねてみよう」シリーズWとして、小冊子にまとめました。通信44号に同封し、会員の皆さまにお送りします。
また若干の残部がありますので、入手ご希望の方はご相談ください。

第45回交流会の後ご希望の方は、恒例の縁の会へ。縁の会のみご参加の方は17:00現地集合。(三浦海岸駅から剱崎行または三崎港行のバスがあります。琴音バス停下車。徒歩でも15分ほどです)
