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小網代 森と干潟つうしん バックナンバー |
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小網代湾の干潟周辺は狭い範囲に非常に多くのカニが暮らしていることが岸先生の本などで紹介されています。これは干潟周辺の生態的環境の多様性のためであると解説されています。干潟は自然の生態系では湿地生態系に含まれています。湿地の定義は「自然のもの人工的なものも含み、また永続的なものか一時的なものか、水が滞留しているか流れているか、あるいは淡水であるか汽水であるか、塩水であるかにかかわらず、湿原や沼沢地、泥炭地、あるいは河川や湖沼などの水域で、水深が干潮時に6メートルを超えない海域を含む」とされています。この湿地生態系の保護、保全のために1971年イランのカスピ海の湖畔ラムサールで開かれた国際会議で採択された条約がラムサール条約「特に水鳥の生息地として重要な湿地に関する条約」です。干潟とは潮が満ちているときには海面の下に沈み、潮が引くと干上がり陸地になる砂や泥が広がっている場所のことを言います。干潟は河口干潟、前浜干潟、入り江干潟、潟湖干潟などさまざまなタイプに分けられています。また干潟の底質により砂干潟、泥干潟、混合干潟などと言うこともあります。小網代の干潟はタイプとしては入り江干潟ですが、小さな浦の川の河口にできた小さな河口干潟とも考えられます。また干潟の底質は砂干潟、混合干潟、泥干潟とさまざまの場所があり、干潟上部には転石帯もあります。三浦半島には小網代の干潟(およそ4ヘクタール)と同じくらいの干潟はいくつかありますが、森からエコトーンにより干潟、海までつながっている場所は他にはありません。
小網代湾の干潟と海には森からおもに浦の川を経由してたくさんの栄養豊富な淡水が流入します。したがって小網代湾の塩分濃度は相模湾の外洋よりも低くなっています。外洋の塩分濃度は33〜38パーミルですが、満潮時の干潟では31〜33パーミルです。アマモ場では最低28パーミル、最高36パーミル、平均32〜33パーミルです。干潮時河口の石橋下流のミオスジでは季節にもよりますが4〜8パーミルと非常にあまい海水となりますが、ミオスジの砂泥中では表面の流れほど低濃度となることはありません。(ミオスジの流れの中でも底近くでは26〜27パーミル)通常海水に含まれている塩類の濃度をあらわすには海水1000gの中に含まれている塩類(約68%が塩化ナトリウム)の総和を千分率で示します。たとえば、1000gの海水に35gの塩類が含まれているときには塩分35パーミル、または塩分35といい、35‰(3.5%)と書きます。(食塩ではティースプーン1パイは約5グラム、大きなスプーン1パイなら約15グラム)通常海岸に暮らす生き物の生息域は温度、底質、潮汐、海流、塩分濃度、光、栄養塩類、溶存酸素濃度など多くの要因によって影響を受けます。
さまざまな底質、塩分濃度そして多様な環境を作るアシ、アイアシ群落、干潟から続く岩場など小網代湾の干潟周辺の生態的環境が多様性なことはそこに暮らしているさまざまな種類の生き物と出会うことで良くわかります。
山の仲間15名と、1月7日(土)三浦七福神をバスを利用して巡り歩いて来ました。
8時47分、三浦海岸駅を三崎港行きバスで出発、折から黒雲が覆い珍しい降雪です。
南下浦町金田の園福寺では、七福神の土人形が人気です。寺に陶器教室の工房があり、各寺へ縁りの七福神人形を置いてます。そこで可愛らしい干支の辰人形を購入。
小網代の森では、アオサギが50羽位の大群です。ウミウのフンが樹木を白くして目立ちました。
ボラが盛んに海面上を跳ねています。白髭神社では、七福神クッキーを販売中。
長谷川造船さんと新年のご挨拶を交わしました。
各所で七福神めぐりのバス8台と遭遇、大型バスやマイクロバス利用と年配者が目立ちました。
バスガイドに、三浦市の観光ボランティアが当っていました。どのような資格の人たちでしょうか・・・。
徒歩で七福神めぐりの人たちは、白髭神社から初声町宮田の延壽寺へ向かうのに、戻ると遠回りになるので、森を抜けて引橋へでるようです。
16時まで行動し、歩数計で20000歩、12キロと初春にはかなりの強行でした。
三浦の小正月の年中行事「チャッキラコ」。
1月15日これを見ないと新年を迎えた気分になりません。
ユネスコの文化遺産へ指定後、大勢の人たちが来るようになりました。ただ、カメラマンのマナーは悪くなる一方です。
吉田三浦市長と小泉議員が挨拶をしました。
帰りに立ち寄った、岩浦の福寿寺。境内には故人となられた、北極単独行の植村直己さんと、南極初代越冬隊長の西堀栄三郎さんの石造の地球儀を形どった石碑がありました。お二人とは、同じ山の会員なのでお話を交わしたことがあります。
どのような事由で、建立されたのかご存じの方は教えてください・・・。
うららかな春まっさかり、森の外周をのんびりと歩いて、干潟に出ましょう。
さて、どんな生き物に出会えるでしょうか、アカテガニはもう起き出してくるでしょうか……
いつもと一味ちがう小網代の風景もお楽しみに!
4月29日(日・祝)10時 三崎口駅集合 小雨実施
持ち物 長靴 弁当 飲み物
講 師 矢部和弘 さん
2月17日(金)A.Mさん、M.Mさん、MHのM’sトリオ(?)で、横須賀市自然・人文博物館の特別展「三浦半島の干潟」を見てきました。干潟の仕組みや組成から、房総半島、九州・琉球の干潟との比較、棲み暮らす生きものたちのようすまで、干潟を基礎からまるごと知ってしまおうという欲張りな展示です。小網代の干潟も、江奈湾、小田和湾、平潟湾、野島海岸と共に紹介されていました。標本と10分間のミニシアターを見くらべることで、生きもののようすをじっくり観察することができます。見慣れたはずの干潟の生きものの、ユニークな動きに思わず見入ってしまいました。小網代干潟のチゴガニはスローモーションでハサミを振ってくれたりはしませんから。
帰りは少し回り道をして、中央公園からのオーシャンビューが素敵です。間近に猿島を望み遠くは房総半島まで、東京湾を一望。青い海、青い空に水平線、胸がすくような眺望は、横須賀ならではですね。
特別展は3月25日まで開催されていますので、暖かい春の日におでかけになってはいかがでしょうか。
・横須賀市自然・人文博物館 9:00〜17:00 月曜休館 入場無料(特別展も無料です)
・特別展 「三浦半島の干潟」 会期 1/28(土)〜3/25(日)
http://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp/event/frame_event.html
・交通アクセス
京急本線横須賀中央駅から徒歩10分、
横須賀線横須賀駅、衣笠駅から京浜急行バス「文化会館前」下車。徒歩5分<
12/4 | かながわのナショナル・トラスト 25周年記念シンポジウム(慶応義塾大学 日吉キャンパス)に参加。養老孟司氏、岸由二氏のトークセッションあり。柳瀬博一氏の進行で大いに盛り上がりました。 |
12/18 | NPO法人小網代野外活動調整会議ボランティアウオーク支援(小倉)参加者なしのため、応援団7名の案内を支援。 |
1/15 | NPO法人小網代野外活動調整会議ボランティアウオーク支援(伸)1名案内して去年の落し物(水筒のキャップ)を発見 |
1/21 | スタッフ会議 南下浦市民センター |
1/27 | NPO法人小網代野外活動調整会議と意見交換会(綱島) |
2/3 | TBSラジオの柳瀬博一ターミナルに岸由二氏が出演、流域思考を語る * http://www.tbsradio.jp/tmn/ から放送内容をダウンロードできます |
小網代 森と干潟つうしん NO.121 2012年3月17日発行 森も海も干潟も 奇跡の集水域生態系を未来の子どもたちへ |